クレーム・ド・カシス(Creme de Cassis)
お酒の特徴
クレーム・ド・カシスは、強い甘味がある深紅のリキュールで、黒すぐりを原料としています。ストレートで飲まれる他に、様々なカクテルに使われています。クレーム・ド・カシスは蒸留プロセスを経ていないリキュールであり、温度変化や酸化に弱いのが特徴です。開栓後は密封して冷蔵保存する必要があります。
ワインの醸造と同様に、果実の鮮度が大切で、果実に含まれるビタミンCの酸化が急速に進むために、黒すぐりを収穫してから24時間以内にリキュールの製造に取りかからなければなりません。
その製造方法は、果実を−30°Cで保存し、中性スピリッツ中で破砕したあとに、−5°Cで約5週間かけて浸出します。そして、最後に砂糖を加えてバランスを整え、ろ過して完成です。
クレーム・ド・カシスは、主にブルゴーニュの特産品ですが、他のフランスの都市やカナダのケベック州などでも生産されています。フランスでは、市場の流通においても専用の枠が設けられ、毎年約1,600万リットルが生産されており、その大部分がフランス国内で消費されています。
お酒の歴史
ヨーロッパでは、昔から黒すぐりの薬としての効果が見出されており、他のリキュールと同様に薬として飲用されていました。現在のようなタイプのクレーム・ド・カシスは1841年に、フランスのブルゴーニュ地方で発明されました。
ルジェ・ラグート社が最初に発表し、それまで飲用されていた黒すぐりのリキュールに取って代わりました。
お酒の豆知識
カシス以外の果実系リキュールは、EUの規定によって、「クレーム・ド」表示するには、1リットルあたり250グラムの糖分を含なければならないとされています。
しかしながら、クレーム・ド・カシスだけは例外であり、1リットルあたり400グラム以上の糖分を含まなければならないのです。また15度以上のアルコール度数も必須条件となっています。