部屋いっぱいに甘い香りが満ちる!スプリングバンクの香りは、甘くかぐわしい。
栓を抜いてグラスに注ぐと、その甘い香りが部屋いっぱいに満ちていく。
そして舌にのせると、とろりとしてシルクのように滑らかに広がっていく。
ロマンチックなムードがあふれ、女性にもぴったりだ。
蒸留所はスコットランドの西側に突出たキンタイア半島の先端の町キャンベルタウンにある。
かつては30ほどの蒸留所が犇いた地だが、閉鎖が相次ぎ、現在ではたった二つ残るだけ。
衰退の原因は何と20世紀初頭の、アメリカの禁酒法にあったという。
禁止されれば飲みたくなるのが人の常。キャンベルタウンは場所柄、
アメリカに輸出しやすい為、目先の儲けだけを求めて、粗悪な品を大量に送りこんだ。
その結果、キャンベルタウン・モルトの評判がガタ落ちになり、
どんどん閉鎖に追い込まれたというのだ。その中でスプリングバンクが生き残ってきたのは、
苦しい経営のなかでも、こだわりを決して捨てなかったからだ。
いまだに麦芽づくりから瓶詰めまで、一貫して行なっているのがその証拠だろう。