バーボンでありながら、バーボンではない!
グラスに注ぐと、フルーツと木の樽の香りが織り混ざった優しい香りが漂う。
舌に乗せると、ほのかな甘みと心地よいアルコールの刺激が絡まりあう。
洗練された貴公子のような味わいといえるだろうか。
白黒のシンプルなラベルを見ると、「テネシー・ウイスキー」と書いてある。
バーボンではないのかと疑問に思われる向きもあるかもしれない。
法律的には、ジャック・ダニエルはバーボンに入るのだが、
一般にはテネシー・ウイスキーと呼ばれるのだ。
バーボンの8割はケンタッキー州生まれだが、ジャック・ダニエルはテネシー州生まれ。
テネシー・ウイスキーの特色は、樽で熟成する前に、
蒸留したばかりの原酒をサトウカエデの木炭を使って濾過すること。
これにより、芳香があるのに軽快な味わいに仕上がる。
テネシー・ウイスキーの代表であるジャック・ダニエル生みの親は、
7歳から蒸留所で働き、16歳で自分の蒸留所を建設した伝説的な人物。
彼が作り出したウイスキーは、1904年の世界博覧会で金賞を受賞し、
一気に世界の銘酒の仲間入りを果たした。