ブルゴーニュ(Bourgogne)地方の代表的赤ワイン用ブドウ品種。
単に Pinot ともいい、またノワリヤン Noirien、あるいはピノ・フラン Pinot franc とも呼ぶ。
この品種は地方によって呼び名が異なり、
ボージョレ(Beaujolais)地方ではプティ・ブルギニヨン、
アルザス地方ではビュルギュンデール、パリ盆地の東南にあたるヨンヌ県ではプティ・ヴェロ、
フランス中央部ではオーヴェルナ・ノワールあるいはプラン・ノーブルなどと呼んでおり、
それほど広い地域で栽培されている品種である。
濃緑色で、やや厚みがある葉は切れ込みが浅く、葉柄の接続部が竪琴状に切れ込んでいる。
円筒型をした葡萄の房は小型で、丸く、小さな黒色の果粒がびっしりとついているのが特徴。
これでつくったワインは高級アルコール様の独特な香りと酸味があり、
タンニンはカベルネほど多くはないにしても、時間をかけて熟成させる必要があり、
ブルゴーニュ地方に、ボルドー地方にみられるような酒商を育てた原因の一つとも
考えられる。ピノ・ノワールには、その外観、生産性、果粒の色調、
出来たワインの酒質などの異なる変種が数多く知られている。