ブルゴーニュ伯の大法官ニコラロランが1443年に建てた救貧施療院オスピスで有名なボーヌの南西8-10kmにピュリニーモンラッシェ村とシャサーニュモンラッシェ村がある。
いずれもAOCの自治体名称をもつ村で、前者は88%白、後者は約70%赤ワインを生産している。
ベルタルは彼のフランスワイン遍歴記のなかで、ボルドーの白のシャトー・ディケムに匹敵するものがブルゴーニュの白のモンラッシェで、この両者こそ世界第一級の白ワインであると賞賛している。
モンラッシェはクリュオールリーニュ、すなわち他に並ぶものなきワイン産地としてランクされ、750ha余りの畑で最大収穫量3kl/ha以下におさえられたシャルドネ種の葡萄からつくられた最低アルコール濃度12%の白ワインはきわめて繊細で、軽く、しかもボディがあり、香りも楽しめる名酒。
第一級ものにシュヴァリエ・モンラッシェがあり、第二級ものにビアンヴニュバタール・モンラッシェがある。シャサーニュモンラッシェの白および赤は、二〜三級にランクされている。