ブッシュミルズ蒸留所

ブレンデッドもシングル・モルトもある世界最古の蒸留所。

この蒸留所で造られているブッシュミルズは、飲み口がドライ。そして独特の香りがあり、

飲んだ後口は爽やかだ。すっきりしたその風味は、寝つけない夏の夜などにぴったりかもしれない。

ブッシュミルズ蒸留所は1608年に北アイルランドのブッシュミルズの町で創業した、世界最古の蒸留所だ。

ビールや蒸留酒の伝播には、宣教師が大きな役割を果たしたと言われている。

早くから蒸留所が誕生した背景には、このあたりが、

宣教師・聖パトリックと縁の深い土地だったことが関係するのではないかと考えられている。

ちなみにブッシュミルズとは、”林の中の水車小屋”という意味で、そのロマンチックな名称が、

この蒸留所のさわやかな風味のウイスキーにとてもマッチしている。

この老舗中の老舗蒸留所では、ブレンデッドのほかにも、

「ブッシュミルズ・シングル・モルト10年」というシングル・モルトも造っている。

アイルランドでは基本的にピートを使わないので、スコッチ・シングル・モルトと違い、

ピート香は無いものがほとんどだ。

ブッシュミルズを売るならこちらへ!

メーカーズ・マーク MAKER’S MARK

流れかかる封蝋が目印の手作りの味わい。

バーボン特有の、苦味を含んだ樽の香りが殆ど無く、その代わりに柑橘系の甘い香りが清々しく漂う。

メーカーズ・マークのこの独特の風味は、まろやかさを追求した結果として、

ライ麦の代わりに冬に収穫された小麦を使うようになったことによるという。

この逸品を生む蒸留所は、バーボンメーカーの中でもっとも小さい。

サミュエルズ家によって経営されてきたこの蒸留所は、一時閉鎖された時期があった。

しかし同家4代目が、廃墟になっていた蒸留所を見事に復興、先祖の夢を現在につないだ。

同社は、少量生産を貫き、手作りウイスキーを提供するのがポリシー。

このブランドだと一目でわかる封蝋も、一つ一つ手作業で行われている。

封蝋を切り、グラスにウイスキーを注ぐとき、生産に携わる人達の温もりが伝わるようだ。

ちなみに、赤の封蝋のレッド・トップがスタンダード品だが、他に黒、金色の封蝋のものもある。

メーカーズ・マークを売るならこちらへ!

カティサーク CUTTY SARK

帆船のウイスキー。麦芽の香味に懐かしさがある。

ほのかにオレンジの香りが漂う、さわやかな風味は、帆船の颯爽としたイメージとぴったりマッチする。

その帆船の名前カティサークというブランド名を付けたのも、ラベルの帆船の絵と、

「CUTTY SARK」「SCOTS WHISKY」という文字を手書きしたのも、ジェームズ・マクベイという画家である。

ラベルの文字が手書きというのは、あまり例を見ない。

カティサークは、ワイン商の通称ベリーズ社が、20世紀になってから初めて作った自社ブランドだ。

ブランド名を決める昼食会に招待されていたのがマクベイ。

彼はその場で、中国から紅茶を運ぶ高速帆船として大活躍した有名帆船「カティサーク」を思いついた。

カティサークは、当時はもう役目を終えていたが、ポルトガルに売却されていた同帆船が

イギリスに買い戻され、それが大きな話題になっていた。会議に集まった人達は皆「それだ!」と。

現在、世界百数十ヶ国で販売される大ブランドが、まさにこのとき誕生したわけだ。

カティサークを売るならこちらへ!

ザ・フェイマス・グラウス THE FAMOUS GROUSE

日本では超有名ブランドとまでは言えないが、バランスのとれたコクが身上のこのスコッチは、

地元スコットランドでは人気ナンバーワン、世界市場でも10位以内に入る。

創業者は、食料雑貨店の3代目だったマシュー・グローグ。19世紀終わりから、

ウイスキーの開発に着手し、ようやく造り上げたウイスキーに、彼は「ザ・グラウス・ブランド」と名づけた。

グラウスとは、スコットランドの国鳥である雷鳥のこと。

当時は上流社会で雷鳥狩りが流行していたこともあって、このウイスキーは大評判をよんだ。

人々がウイスキーの名前ではなく、

”あの有名な(フェイマス)雷鳥をくれ”と注目するようになったのをみたマシューは、

「ザ・フェイマス・グラウス」にブランド名を変えてしまったのだそうだ。

そのグラウスをさらに有名にしたのが、

「夜を共にする恋人のようにメローな味わい・・・・一杯のグラウスの他は何も欲しくない」

という広告コピー。世界に羽ばたく雷鳥の味をぜひ味わってみたくなる、なんとも素敵な文句だ。

ザ・フェイマス・グラウスを売るならこちらへ!

アードベッグ ARDBEG

何の予備知識もなく、アードベッグを口にすると、多くの人がビックリするに違いない。

口いっぱいに広がるスモークさが、強烈に舌を襲う。さらに”潮のような”と表現される香りもあり、

人によっては消毒薬の匂いに感じられる。初めてコーラを飲んだ時のような、妙な薬っぽさと言えるだろうか。

この強烈なスモーキーさが、アイラ島で造られているモルト・ウイスキーの大きな個性なのだが、

中でもアードベッグは、その伝統の味をしっかりと主張した、古典的なモルトなのだ。

マイルドなブレンデッド・ウイスキーを飲み慣れた人には、最初は拒否反応があるかもしれない。

しかし飲み続けていると、、他のウイスキーが物足りなくなるぐらい、この味にはまってしまう。

ただアードベッグは、生産規模が小さく、バランタインに欠かせない原酒のため、シングル・モルトとして

出回っている量は僅か。公的に出荷されるのは、年間200ケース程度、手に入れるのが難しいのが残念だ。

アードベッグを売るならこちらへ!

エヴァン・ウイリアムズ EVAN WILLIAMS

バーボン特有の香ばしい香りと、口中に広がる後味にパワーを感じる、オトコっぽいバーボンだ。

ライトタイプが主流になりつつある近年では、伝統的なタイプに入るが、それだけに根強いファンを持つ。

エヴァン・ウイリアムズとは、開拓初期のケンタッキーで最初にバーボンを造ったと言われる男性の名前。

ボトルに、「1783年」と記されているがこれは1783年に彼が蒸留を始めたという説があるためだ。

現在このバーボンを造っているヘヴン・ヒル社は、エヴァン・ウイリアムズ氏とは無関係で、

ただ名前を拝借しただけ。ヘヴン・ヒル社は、バーボンの蒸留業者として最大規模を誇り、

20年以上の長期熟成ものもエヴァン・ウイリアムズにはある。

なお、日本では、エヴァン・ウイリアムズの方がよく知られているが、

アメリカではメイン・ブランドの「ヘヴン・ヒル」も人気が高い。同社は1986年、もう一人のバーボンの元祖、

エライジャ・クレイグの名をとった「エライジャ・クレイグ12年」をリリース。

元祖2人の名を冠したバーボンを、飲み比べてみるのも楽しい。

エヴァン・ウイリアムズを売るならこちらへ!

I.W.HARPER ハーパー

トウモロコシ8割以上の滑らかさ!一口含むと、心地よい刺激とともに、とろりとしたなめらかな舌触りを感じ、

やがてフルーツのような香りが立ち上る。やや甘みが残る、穏やかな後味だ。

この風味を生み出しているのは、86%という高い含有率のトウモロコシ。トウモロコシの含有率を高めることで、

なめらかな舌触りのバーボンに仕上がるのだ。バーボンの代名詞とも言えるほど人気の高いこのブランドは、

ドイツ移民が生みの親。創業者アイザック・ウルフ・バーンハイムは、新天地で職を転々とした後、

弟と一緒に、酒の樽売をする会社を興して大成功し、ついにアメリカン・ドリームを手に入れたのだ。

ブランド名のI.Wは、アイザック・ウルフ・バーンハイムの頭文字I.Wを付けたものだ。

バーボンは6年程度の熟成が最適と言われていたが、同社では1961年に12年ものを販売している。

これによって名声がさらに高まり、他の会社も長期熟成タイプを造るようになった。

「I.W.ハーパー 12年」は先駆的なウイスキーと言える。

I.W.ハーパーを売るならこちらへ!

グランツ GRANT’S

スペイサイド・モルト中心の原酒が華やかな香りと、切れ味さわやかな奥深い風味を紡いでいるグランツは、

日本にも根強いファンが多い。グランツの三角ボトルを見ると、グレンフィディックを思い出すだろう。

そう、同じボトルの形から想像できるように、どちらも同じ会社のウイスキーなのだ。

元々はモルトの蒸留所だったが、モルトの最大の顧客だったブレンド会社が倒産するという悲劇に遭遇して

経営危機に陥った。それをどうにか乗り切り、今度はブレンデッドの製造にも乗り出したのだ。

現在ではイギリス国内で売り上げ上位に入るほど成長している。その起死回生の道のりには、

創業から5代目の現在まで、大企業の傘下に入らず、ファミリーだけで守り抜いてきた歴史がある。

三角ボトルは、それぞれの面が、火(石炭の直火焚き)、水(良質の軟水)、

土(大麦とピートという大地の恵み)をあらわしている。これは、ウイスキーはこの3つから造られているとの、

創業者ウイリアム・グラントの信念が元になっているのだという。

グランツを売るならこちらへ!

グレンファークラス GLENFARCLAS

”鉄の女”と呼ばれたイギリスのサッチャー元首相が好んだと言われるのがこのモルト・ウイスキー。

特にアルコール度数60度のグレンファークラス105がお好みだったというから、さすが鉄の女?

さわやかなフルーティーさが持ち味で、水で割ってもしっかりした深いコクがある。

食後のゆったりとしたひとときに口にするのにぴったりだ。

このモルトは、背後にそびえるベンリネス山の雪解け水を源流とする泉の良質な軟水を使用し、

ガスバーナーで直火焚きをしている。そしてスペイサイドで最も大きなスチル(蒸留器)で蒸留し、

最後はシェリー樽(シェリー酒貯蔵用の空樽)で寝かされる。こうして生まれたモルトは、

ブレンダーが選ぶスペイサイドトップ3に常に選出されている、スペイサイドを代表する逸品だ。

グレンファークラスとは、スコットランドの言語ゲール語で”緑の草原の谷間”の意味。

スペイ川を望む草原に立つ蒸留所は、創業1836年。

創業者一族がいまだに家族経営をしている、数少ない蒸留所だ。

グレンファークラスを売るならこちらへ!

ダルモア DALMORE ハイランド

ほのかに甘くフルーティーな香りが漂い、コクがあってスパイシー、

微かにスモーキーなダルモアは、食後の休息の時間にゆったりと味わいたい。

コクのあるモルト・ウイスキーには葉巻がよく合う。ダルモアには、葉巻に合うよう、

12年と21年の熟成モルトを特別に合わせたシガー・モルトが発売されている。

またモルトファン垂涎の、50年以上眠っていたダルモアがある。

1920年~1930年代に仕込まれたモルト・ウイスキー、黒の陶器に大切に詰められた「ダルモア50」が、

わずかながら出回っているのだ。バナナ葉巻をくゆらせながら味わったら、最高の気分だろう。

なお各ラベルの上、ボトルの肩付近に立派な角の牡鹿の紋様が描かれているが、

ダルモア蒸留所のあるロス州は、昔から鹿撃ちで名が知れていた土地だ。

それが牡鹿デザインの由来になっているという。

蒸留所は、ロス州アルネス町郊外の、クロマティー湾を見下ろす絶景の地に建っている。

ダルモアを売るならこちらへ!