スペイサイド・モルト中心の原酒が華やかな香りと、切れ味さわやかな奥深い風味を紡いでいるグランツは、
日本にも根強いファンが多い。グランツの三角ボトルを見ると、グレンフィディックを思い出すだろう。
そう、同じボトルの形から想像できるように、どちらも同じ会社のウイスキーなのだ。
元々はモルトの蒸留所だったが、モルトの最大の顧客だったブレンド会社が倒産するという悲劇に遭遇して
経営危機に陥った。それをどうにか乗り切り、今度はブレンデッドの製造にも乗り出したのだ。
現在ではイギリス国内で売り上げ上位に入るほど成長している。その起死回生の道のりには、
創業から5代目の現在まで、大企業の傘下に入らず、ファミリーだけで守り抜いてきた歴史がある。
三角ボトルは、それぞれの面が、火(石炭の直火焚き)、水(良質の軟水)、
土(大麦とピートという大地の恵み)をあらわしている。これは、ウイスキーはこの3つから造られているとの、
創業者ウイリアム・グラントの信念が元になっているのだという。