ラガヴーリン LAGAVULIN

優美なまろみがスモーキーさを包み込む。アイラ・モルトのみならず、

全モルト・ウイスキーの中でも傑作中の傑作と絶賛されているのが、このラガヴーリンだ。

まろやかな舌触り、シェリーのような甘さがほのかに漂う香りなどから、

エレガントな風味と言われる事がある。しかし淑女のエレガントさと違い、

男性的なパワーがあふれる優美さなのだ。そのパワーは、強烈なスモーキーさにある。

アイラ・モルト独特の、潮の香りやピート香も強く、人によっては「ちょっと...」と

抵抗感があるかもしれない。しかし印象深いこの味が、多くの人を虜にしてしまうのだ。

ラガヴーリン蒸留所の入り口には、ホワイトホースの大きな看板が立っている。

なぜならこのモルトは、お馴染みのブレンデッド・ウイスキー、

ホワイトホースの核となる原酒だからだ。

ホワイトホースを飲むときに、ラガヴーリンの風味を探してみるのも一興かも。

なお、かつては12年物も出回っていたが、現在は16年物が主流。

より一層まろやかな味に、蒸留所のこだわりがあるのだろう。

ホワイトホース WHITE HORSE

癖のあるキーモルトを生かした味わい

個性の強いアイラ・モルトを中核にした、珍しいブレンデッド。アイラ独特のピート香や

スモーキーさは残っているのに、口あたりが柔らかく、喉ごしも滑らかだ。

味わいの秘訣は、結婚相手として慎重に選ばれたクレイゲラヒなどのスペイサイド・モルト。

アイラ独特の風味に、スペイサイド・モルトの蜜のような風味が、

絶妙のバランスで結びついて、バランスのよいウイスキーを作り出しているのだ。

ブランド名の由来は、エジンバラにあった「ホワイトホース・セラー」という古い酒亭兼宿屋。

スコットランド独立軍の常宿だったこともあり、自由と希望のシンボルになっていた。

創業者のピーター・マッキーが、酒亭名と看板をそのまま拝借したのだという。

ところで、今でこそウイスキーの栓はスクリュー式が当たり前だが、かつてはワインのような

コルク栓だった。スクリューキャップを発明したのはホワイトホース社。

おかげで飲みかけのボトルの保存が楽になったせいか、この栓を導入してから、

同社の売り上げが倍増したという。