ジャック・ダニエル

バーボンでありながら、バーボンではない!

グラスに注ぐと、フルーツと木の樽の香りが織り混ざった優しい香りが漂う。

舌に乗せると、ほのかな甘みと心地よいアルコールの刺激が絡まりあう。

洗練された貴公子のような味わいといえるだろうか。

白黒のシンプルなラベルを見ると、「テネシー・ウイスキー」と書いてある。

バーボンではないのかと疑問に思われる向きもあるかもしれない。

法律的には、ジャック・ダニエルはバーボンに入るのだが、

一般にはテネシー・ウイスキーと呼ばれるのだ。

バーボンの8割はケンタッキー州生まれだが、ジャック・ダニエルはテネシー州生まれ。

テネシー・ウイスキーの特色は、樽で熟成する前に、

蒸留したばかりの原酒をサトウカエデの木炭を使って濾過すること。

これにより、芳香があるのに軽快な味わいに仕上がる。

テネシー・ウイスキーの代表であるジャック・ダニエル生みの親は、

7歳から蒸留所で働き、16歳で自分の蒸留所を建設した伝説的な人物。

彼が作り出したウイスキーは、1904年の世界博覧会で金賞を受賞し、

一気に世界の銘酒の仲間入りを果たした。

グレンフィディック

シングル・モルトの先駆けは売り上げ世界一!

グレンフィディックは、もっとも著名な銘柄の一つだ。比較的飲み口が軽く、

万人に親しまれ、シングル・モルトの売り上げ世界ナンバーワンを誇っている。

ウイスキーをよく知らない人でも、三角形のユニークなボトルを見たことがある人は

多いはずだ。この三角ボトルは、当初業界で笑い者になったというが、

もっと笑い者にされたのが、1960年に、それまでブレンデッド用に出荷していた

モルト・ウイスキーを、業界に先駆けて、シングル・モルトとして販売を始めたことだ。

当時はほとんどがブレンデッド・ウイスキーだったから、個性が強いシングル・モルトが

一般に受け入れられるわけがないと、鼻で笑われてしまったのだ。

ところが業界の冷たい視線をよそに、グレンフィディックは売れに売れた。

シングル・モルトが注目を浴びたのは、それからである。

いまやシングル・モルトの代名詞にもなっているグレンフィディック、

まだ飲んだことが無ければ、一度は飲んでみてほしい!

オールド・パー

オールド・パーのボトルを前にグラスを傾け、比較的ピート香が強く、

コクのある深い味わいを楽しんでいると、何となく懐かしいムードに浸ってくる。

ボトルの渋い色のせいもあるが、かつて日本ではオールド・パーが

洋酒の代名詞のような時代があったからかもしれない。

実際、日本に初めて入ったウイスキーが、オールド・パーだったと言われる。

1871年(明治4年)に出発した岩倉具視を特命全権大使とする欧米視察団が、

2年後に帰国した時に、オールド・パーを数ケース持ち帰ったという。

年代からいって、まだオールド・パーが誕生したばかりのころだ。

そうした縁ががあるのか、オールド・パーの総売り上げの約65パーセントは、

日本と東南アジアの国々で占めている。

オールド・パーとは、152歳まで生きたと言われる農夫トーマス・パーのこと。

彼にあやかってオールド・パーを生み出したジェームスとサミュエル兄弟の会社、

グリーンリース社の趣意書には、10人の王の時代を生き抜いたトーマスのように、

「時代がどんなに変わろうとも変わらぬ品質を約束する」と書かれている。

ジョニー・ウォーカー

今も世界を闊歩するトップブランド JOHNNIE WALKER

心地よいスモーキーな香りがフワリと口中に広がり、口あたりなめらか、

何杯でも飲めてしまいそうなライトタイプ。そんなジョニー・ウォーカーは、

「ジョニ赤」「ジョニ黒」の通称で、あまりにも名高い。

有名なだけでなく、実際に長い間、世界売り上げナンバーワンを維持、

いまも世界のウイスキー業界をリードし続けている。

現在の「ジョニ赤」「ジョニ黒」が誕生するのには、

創業者のジョン・ウォーカーにはじまり、じつに3代かかっている。

初代が考案したウイスキー「ウォーカーズ・オールド・ハイランド・ウイスキー」を、

当時珍しい四角いボトル、斜めのラベルという画期的なアイディアで世に広めたのが2代目。

そして3代目が、「ジョニー・ウォーカー赤ラベル」を進化させて、

「ジョニー・ウォーカー黒ラベル」と命名した。

このとき、シルクハット姿の英国紳士というトレードマークも登場。

当代随一の漫画家トム・ブラウンの手によるもので、

創業者のジョン・ウォーカーがモデルと思いきや、ブラウンのまったくの創作だそうだ。

ムルソー Meursault

ブルゴーニュ地方のコート・ド・ボーヌ地区 Cote de Beaune 最大の村の名。

生産されるワインはほとんどが白で、A.O.C.ワインとしての最低アルコール濃度は11%

(プルミエ・クリュは11.5%)、最大収穫量は1haあたり3.5kl。辛口(セック)でありながら

口あたりが柔らか(moelleux)であるという珍しいワインで、緑がかった黄金色が美しい。

よく熟した葡萄のアロマとカバノキ科のハシバミの実の風味が特徴で、

フランスでも有名な白ワインの一つに数えられる。

シャルドネ Chardonnay

白ワイン用の葡萄の品種名。

ブルゴーニュのボーヌ、コート・ドール、シャブリ、ロレーヌ地方、シャンパーニュ地方、

フランシュ・コンテ地方、さらにロワール川流域のワイン産地で、

下記にあげたような種々の名で呼ばれているほどフランス中部から東北部にかけて

広く栽培されている品種である。病害に強く、葉の葉柄につながる部分が広くひろがり、

葉脈でふちどられているのが特徴。果粒は小粒で丸く、黄金色を呈する。

これでつくったワインは薄い緑黄色から黄金色まであり、芳香に富み

シャブリやシャンパーニュには欠かせない品種である。

シャルドネの地方名:

ノワリアン・ブラン(ボーヌ地方)、ピノ・ブラン(コート・ドール県)、

ボーノワ(シャブリ地方)、オーセロワ・ブラン(シャンパーニュ地方)、

ガメー・ブランまたはムロン(フランシュ・コンテ地方)、オーヴェルナ・ブラン(ローヌ川流域)。

クラレット claret

英語圏の人々が使うボルドー産赤ワインの愛称。

アキテーヌの公女アリエノールが、1137年に結婚したフランス王ルイ7世と1152年に離婚し、

同年イギリス国王ヘンリー2世と再婚した結果、彼女が相続していたアキテーヌ公領とともに

ボルドーはイギリスの支配下におかれた。ヘンリー2世はボルドーの淡色赤ワイン、

ボルドー・クレーレを愛用したと伝えられるほど、クレーレはイギリス人に好まれ、

イギリスなまりでクラレットと呼ばれてボルドー・ワインの代名詞となった。

ピノ・ノワール Pinot noir

ブルゴーニュ(Bourgogne)地方の代表的赤ワイン用ブドウ品種。

単に Pinot ともいい、またノワリヤン Noirien、あるいはピノ・フラン Pinot franc とも呼ぶ。

この品種は地方によって呼び名が異なり、

ボージョレ(Beaujolais)地方ではプティ・ブルギニヨン、

アルザス地方ではビュルギュンデール、パリ盆地の東南にあたるヨンヌ県ではプティ・ヴェロ、

フランス中央部ではオーヴェルナ・ノワールあるいはプラン・ノーブルなどと呼んでおり、

それほど広い地域で栽培されている品種である。

濃緑色で、やや厚みがある葉は切れ込みが浅く、葉柄の接続部が竪琴状に切れ込んでいる。

円筒型をした葡萄の房は小型で、丸く、小さな黒色の果粒がびっしりとついているのが特徴。

これでつくったワインは高級アルコール様の独特な香りと酸味があり、

タンニンはカベルネほど多くはないにしても、時間をかけて熟成させる必要があり、

ブルゴーニュ地方に、ボルドー地方にみられるような酒商を育てた原因の一つとも

考えられる。ピノ・ノワールには、その外観、生産性、果粒の色調、

出来たワインの酒質などの異なる変種が数多く知られている。