ウイスキーといえばスコッチ

ウイスキーの代名詞ともいえるスコッチ・ウイスキーは、スコットランドで蒸留されたウイスキーのこと。スコットランド内での蒸留や、スコットランド内での3年以上樽熟成などがスコッチ・ウイスキーと名のれる法的条件になっている。

スコッチの銘柄はじつに多彩だが、大きくは、大麦麦芽だけを原料とするモルト・ウイスキーと、トウモロコシなどの穀物を原料とするグレーン・ウイスキーに分けられる。このふたつは、原料だけでなく、蒸留法も異なっている。

数十種の蒸留所でつくられたモルト・ウイスキー数種のグレーンウイスキーを混合したものが、ブレンデッド・ウイスキー。カティサーク、ジョニー・ウォーカー、オールド・パーなど、一般に広く知られている銘柄の多くは、ブレンデット・ウイスキーなのだ。

オールド・パー

オールド・パーのボトルを前にグラスを傾け、比較的ピート香が強く、

コクのある深い味わいを楽しんでいると、何となく懐かしいムードに浸ってくる。

ボトルの渋い色のせいもあるが、かつて日本ではオールド・パーが

洋酒の代名詞のような時代があったからかもしれない。

実際、日本に初めて入ったウイスキーが、オールド・パーだったと言われる。

1871年(明治4年)に出発した岩倉具視を特命全権大使とする欧米視察団が、

2年後に帰国した時に、オールド・パーを数ケース持ち帰ったという。

年代からいって、まだオールド・パーが誕生したばかりのころだ。

そうした縁ががあるのか、オールド・パーの総売り上げの約65パーセントは、

日本と東南アジアの国々で占めている。

オールド・パーとは、152歳まで生きたと言われる農夫トーマス・パーのこと。

彼にあやかってオールド・パーを生み出したジェームスとサミュエル兄弟の会社、

グリーンリース社の趣意書には、10人の王の時代を生き抜いたトーマスのように、

「時代がどんなに変わろうとも変わらぬ品質を約束する」と書かれている。