帆船のウイスキー。麦芽の香味に懐かしさがある。
ほのかにオレンジの香りが漂う、さわやかな風味は、帆船の颯爽としたイメージとぴったりマッチする。
その帆船の名前カティサークというブランド名を付けたのも、ラベルの帆船の絵と、
「CUTTY SARK」「SCOTS WHISKY」という文字を手書きしたのも、ジェームズ・マクベイという画家である。
ラベルの文字が手書きというのは、あまり例を見ない。
カティサークは、ワイン商の通称ベリーズ社が、20世紀になってから初めて作った自社ブランドだ。
ブランド名を決める昼食会に招待されていたのがマクベイ。
彼はその場で、中国から紅茶を運ぶ高速帆船として大活躍した有名帆船「カティサーク」を思いついた。
カティサークは、当時はもう役目を終えていたが、ポルトガルに売却されていた同帆船が
イギリスに買い戻され、それが大きな話題になっていた。会議に集まった人達は皆「それだ!」と。
現在、世界百数十ヶ国で販売される大ブランドが、まさにこのとき誕生したわけだ。