カベルネ
ボルドーの上級赤ワイン用の原料葡萄として使われる代表的な品種の名前。
カベルネの起源は古く、定かではない。
プティラフィットによると、これはイタリアの品種ビトゥリカで、古代ローマからミディ、すなわち南フランスに伝わり、次いでボルドーのグラーヴ地方に根を下ろしたものと言われている。
クラーヴ地方では今でもカベルネをヴィデュールまたはビデュールとよぶ方言が残っているが、前者はヴィニュデュールすなわち硬い葡萄、後者は古代の葡萄から由来した言葉ではないかとラフィットは推論している。
カベルネの樹が硬く、果皮が厚く、しっかりしているためか、あるいは気候的、土壌的悪条件にもよく耐える素晴らしい性質をもっているのでヴィデュールと呼ばれてきたのであろうか。
カベルネ種に2つの変種があることは、18世紀にすでに知られており、ベレ牧師の手記はグラーヴにグロスエプティットヴィデュールがあると書き残し、またデュプルドサンモールはポーヤック村の代行文書に記載している。
現在ではカベルネ・ソーヴィニヨンをプティカベルネと呼び、カベルネ・フランをグロカベルネといっている。
カベルネ・ソーヴィニヨンは葉が緑で濃く、葉の周辺の切れ込みがはっきりしているのが特徴で、かなり生産性はよく。赤色ののった、味に幅があり、かつ熟成によって香りが立つ上級赤ワインが生まれる。
カベルネ・フランは、比べて葉の周辺の切れ込みが少なく、葡萄果の成熟期が遅いかわりに、果粒が大きいのが特徴である。
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