ユニークな製法の蒸留所は国策で生まれた。
クーリー蒸留所では、「カネマラ」「グレノア」「キルベガン」「ターコネル」「ロックス」「マギリガン」
「グリーン・スポット」など、沢山の銘柄の蒸留を行なっている。
なかでもユニークなのは、カネマラだろう。飲んでみると、「おやっ、スコッチに似ている」と思うはず。
現在こそアイリッシュ・ウイスキーは基本的にピート香がついていないが、
その昔はついていたのだという。そこで現代版として、ピート香をつけた、
アイルランドではとても珍しい方法で造り上げたウイスキーが誕生したのだ。
ところでクーリー蒸留所は1987年創業と、比較的新しい。
というのも、この地には当時ブッシュミルズ蒸留所とミドルトン蒸留所の2箇所しかなかったので、
政府の国策でアイリッシュ産ウイスキーの独立企業をつくろうということになり、
ジョン・ティーリング氏が400万ポンドを投入して創設したのだ。
アイリッシュ・ウイスキーの世界的シェアはまだわずかだが、
この新蒸留所の誕生で、売り上げの増大が期待されている。