何の予備知識もなく、アードベッグを口にすると、多くの人がビックリするに違いない。
口いっぱいに広がるスモークさが、強烈に舌を襲う。さらに”潮のような”と表現される香りもあり、
人によっては消毒薬の匂いに感じられる。初めてコーラを飲んだ時のような、妙な薬っぽさと言えるだろうか。
この強烈なスモーキーさが、アイラ島で造られているモルト・ウイスキーの大きな個性なのだが、
中でもアードベッグは、その伝統の味をしっかりと主張した、古典的なモルトなのだ。
マイルドなブレンデッド・ウイスキーを飲み慣れた人には、最初は拒否反応があるかもしれない。
しかし飲み続けていると、、他のウイスキーが物足りなくなるぐらい、この味にはまってしまう。
ただアードベッグは、生産規模が小さく、バランタインに欠かせない原酒のため、シングル・モルトとして
出回っている量は僅か。公的に出荷されるのは、年間200ケース程度、手に入れるのが難しいのが残念だ。