ナーエ

西ドイツのワイン用ブドウの指定栽培地域の1つ、11の指定栽培地域の6番目に位置してい

る。ビンゲンの町でライン川と合流するナーエ川に沿いビンゲンから上流へ約15キロ遡った

右岸の町クロイツナッハの周辺とそのまた10キロ上流の左岸の町シュロスベッケルハイム

の周辺の2ヶ所がナーエのベライヒ(地区)に指定されている。ここで栽培されている99パーセ

ント以上が白ワイン用で品種としてはミュラートゥルガウ種が約30パーセント、リースリング種

シルヴァーナ種がそれぞれ約23-24パーセントでこれら3品種が主流をしめているが

最近ではショイレーベ種、ケルナー種などの新品種も増えている。クロイツナッハ地区の

砂利質土壌からはフルーティーでエレガントなワインが生まれバートミュンスター

ニーダーハウゼンを含むシュロスベッケルハイム地区の火山岩質土壌からは

新鮮さと深みを兼備したワインが醸されるのでナーエのワインはラインガウ的な特徴と

モーゼル的な良さの両面を持っているといわれる。このナーエ地域にもガイゼンハイム

国立ワイン醸造研究所と同様な研究所がニーダーハウゼンにある。

メルロー

ボルドー地方の赤ワイン用ぶどうの品種名。ロートエガロンヌ県、ジロンド県、ドルドーニュ県

など比較的限られた地域で栽培されている。カベルネソーヴィニョン種のワインと調合して

口当たりにふくらみをあたえたり、マルヴェック種のワインとブレンドしてこくを補強するなど

良質な品種のわりにブレンド用に使われることが多い。起源についてはあまり知られていない

がボルドー地方で栽培され始めたのは18世紀末になってからで、ボルドーの町に近いラブレ

ードの城に生まれた思想家モンテスキューはカベルネなどのブドウについての記述を残してい

るが、メルローをしらなかったようである。メルローという名前はプティラフィットによれば

果粒の色が似ているところからプティメルルという小鳥の名が訛ったものだという。