欧州のブドウ畑を絶滅させたフィロキセラ

1850年代、シャンパーニュだけでなくヨーロッパ全土のブドウ畑が、とある虫によって壊滅的な状態に
追い込まれてしまいました。

その虫とは体長たった数ミリの”フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)”。これが、ブドウの根から樹液を吸って成長し、気を枯らしてしまうというやっかい極まりない害虫で、免疫のなかったヨーロッパ中のブドウ畑は、あっという間に絶滅状態になってしまったのです。

このフィロキセラがどこからやって来たかと言うと、研究用に輸出されたアメリカ産の苗木に付着していたのです。

フィロキセラショックとも言うべき大惨事を経て、この寄生虫に耐性のある北アメリカ東部及び中部のブドウを台木とし、ヨーロッパ原産のブドウに接木するという方法で、危機を乗り超えました。

ヨーロッパのワイン史を語る上で避けては通れない悲劇として、そして大きな家訓として、現在でも語り継がれている出来事です。

自然農法で造られた ビオワイン

ビオワインとは自然派ワインのことで、化学肥料を使用せず、なるべく自然の物を利用する農法で造られたワインのこと。ほかのワイン生産地同様に、シャンパーニュ地方でもレコルタン・マニピュランを中心に、熱心に取り組む造り手が増えています。

化学肥料の使用を必要最低限に抑える減農薬農法「リュット・レゾネ」で造られた物は、厳密にはビオワインではありませんが、限りなくビオに近い方法で栽培している生産者も少なくありません。

最大の特徴である独特な香りと薄めの色合い、そしてテカワールの個性を反映した、力強い味わいは、体験してみないとちょっとわかりづらいかも。今後アイテムが増えていくと予想されるので要チェック

シャンパーニュ地方のブドウ

原産地統制名称法(AOC法)というフランスのワインの法律により、生産地域やブドウ品種、

醸造方法など、シャンパン造りに関わる様々な事柄が規定されています。

ブドウから搾る果汁の量も厳しく制限され、1Lを搾るのには1.6kgものブドウを使わなければなりません。

ここまでふんだんにブドウを使うスパークリングワインはヨーロッパではシャンパンだけ。

フランス高級ワインの中でも究極のワインと言われるシャンパンならではのこだわりが感じられます。

また、栽培においてもブドウ樹の剪定や高さ、植え付けの間隔や密度などが細かく決められています。

冬には一面雪に覆われることが少なくないシャンパーニュ地方では、

春の遅霜やあられが新芽を襲うことも。そのため簡易ストーブのような物を畑一面に並べて火を焚いたり、

反対に水を撒いて芽を凍らせることで保護したりと、苦労が絶えません。

そうして丹精を込めて育てられたブドウは丁寧に手摘みされ、

手間と時間のかかる瓶内二次発酵のシャンパーニュ方式を得て、美味しいシャンパンに生まれ変わります。

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シャンパーニュの気候

アルザスよりも北に位置するシャンパーニュの年間平均気温は約10度で、

季節による変化が大きく、冷涼で、ブドウの栽培には厳しい気候となっています。

しかしながら、栽培者の弛まざる努力と特殊な土壌の恩恵を受け、

酸味とミネラル分の強いブドウが育まれ、

結果としてシャンパンにシャープな切れ味と格調高さをもたらしています。

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シャンパーニュの土壌(テロワール)

白亜土の石灰質の土壌がシャンパーニュ地方の特徴。

パリ盆地がまだ海底にあった時代のカキなどの生物の死骸が堆積して出来た土壌で、

その厚みは300mにも及んでいます。この白亜土は熱を吸収しやすい上、水はけも良く、

豊富なミネラル分を含み、ワインに素晴らしい個性を与えています。

地下にはこの石灰質の土壌をくり抜いて造られた地下蔵(カーヴ)が網の目のように張り巡らされ、

その全長は250km!太陽の光を遮断し、常に温度を一定に保つこのカーヴは、

シャンパンをシャンパンたらしめる「瓶内二次発酵」とその後の熟成に大きな役割を果たしています。

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スパークリングワインの製造方法

スパークリングワインとは発泡性ワインの総称で、一般にガス圧が3気圧以上のものを言い、

製造方法にはメトード・トラディショナル方式、シャルマー方式、

トランスファー方式、メトード・リュラル方式、二酸化炭素吹き込み方式などがあります。

メトード・トラディショナル方式とは伝統的手法、つまりシャンパーニュ方式のこと。

まずスティルワイン(普通の非発泡ワイン)を造り、それを瓶内で二次発酵させます。

瓶内でのゆっくりした発酵とその後の瓶内での熟成が、きめの細かい泡を造り上げます。

スペインのカヴァ、ドイツのゼクトの一部、イタリアのスプマンテの一部などもこの製法で作られています。

一方、シャルマ方式は瓶内ではなく、大きな密閉耐圧タンク内で二次発酵を行います。

この方法だと、一度に大量に生産でき、シャンパーニュ方式より短期間で製品化が可能なため、

コストを抑えることが出来ます。製造過程で空気に触れないため、

フレッシュでフルーティーなスパークリングワイン造りに適し、

ゼクト、スプマンテの多くはこの製法で作られています。

トランスファー方式は、瓶内二次発酵をさせた炭酸ガスを含んだワインを、

加圧下のタンクに移して冷却、澱を取り除いた後に、新たに瓶詰めする製法。

シャンパーニュ方式における「動瓶」と「澱抜き」が簡略化されています。

メトード・リュラル方式は、発酵途中のワインを瓶詰めして、残りの発酵を瓶内で行う製法で、

二酸化炭素吹き込み方式は、その名の通りスティルワインに炭酸ガスを吹き込む製法です。

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シャンパーニュの歴史

ゲルマン民族大移動により、5世紀末にフランク族が北フランスにフランク王国を建国し、

初代王クロヴィスがランスでキリスト教の洗礼の秘蹟を授かりました。

これにより歴代のフランス王がランスで戴冠を行うという伝統が生まれ、それ以降殆どのフランス王が

ランスで即位式を行っています。ノートル・ダム大聖堂が13世紀末に完成してからは、

そこで戴冠式が行われるようになり、中でもジャンヌ・ダルクが付き添ったというシャルル7世の逸話が有名。

中世期にはイタリアからフランドルに抜ける交通の要所という地理的条件に恵まれ、経済、文化ともに発達。

定期的に大市が開かれ、集まった商人達の手によって

シャンパーニュ産のワインが広まっていったと言われています。

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シャンパーニュ

オーブ、オートマルヌ、マルヌ、エーヌ、アルデンヌ県にわたる地方名で

バッサン・パリジャンすなわちパリ盆地の北東に位置する。

ラルースの地図などにはシャンパーニュ・プイユーズとある。

10世紀にはヴェルマンドワ家、11世紀からはブロワ家の属領だったが

1285年にフィリップ・ル・ベルによりフランスに併合された。

小プリニウスが92年にアイと呼ばれるランスのワインを除いたら皇帝たちに勧められる

ガリアのワインはないと書いていることからキリスト紀元の初めにはすでに

ブドウ栽培がはじめられていたことがわかる。しかしローマ皇帝ドミティアヌスが

小麦栽培を重視したあまりガリアの全域にわたって葡萄が引き抜かれ1世紀から3世紀ころま

でガリアからブドウ畑が消えてしまった。その後ローマ皇帝プロブスは280年ごろガリア人の

ブドウ栽培を公認し彼の軍隊をブドウ畑の復興にあたらせた。

シャンパーニュムスー天然発泡性ワインの起源についてペリニョン氏こそ真の創始者で

あるという説がある。

彼はマルヌ渓谷の重要な葡萄生産村である

オーヴィレールのヴェネディクト派修道院の衣食住係りを

47年間勤めワインつくりの熟練者であった

瓶詰ワインの再発酵のような形で自然発生したものを

ペリニョン師が技術的に改善しシャンパーニュの基礎を確立したのであろう