スパークリングワインの製造方法

スパークリングワインとは発泡性ワインの総称で、一般にガス圧が3気圧以上のものを言い、

製造方法にはメトード・トラディショナル方式、シャルマー方式、

トランスファー方式、メトード・リュラル方式、二酸化炭素吹き込み方式などがあります。

メトード・トラディショナル方式とは伝統的手法、つまりシャンパーニュ方式のこと。

まずスティルワイン(普通の非発泡ワイン)を造り、それを瓶内で二次発酵させます。

瓶内でのゆっくりした発酵とその後の瓶内での熟成が、きめの細かい泡を造り上げます。

スペインのカヴァ、ドイツのゼクトの一部、イタリアのスプマンテの一部などもこの製法で作られています。

一方、シャルマ方式は瓶内ではなく、大きな密閉耐圧タンク内で二次発酵を行います。

この方法だと、一度に大量に生産でき、シャンパーニュ方式より短期間で製品化が可能なため、

コストを抑えることが出来ます。製造過程で空気に触れないため、

フレッシュでフルーティーなスパークリングワイン造りに適し、

ゼクト、スプマンテの多くはこの製法で作られています。

トランスファー方式は、瓶内二次発酵をさせた炭酸ガスを含んだワインを、

加圧下のタンクに移して冷却、澱を取り除いた後に、新たに瓶詰めする製法。

シャンパーニュ方式における「動瓶」と「澱抜き」が簡略化されています。

メトード・リュラル方式は、発酵途中のワインを瓶詰めして、残りの発酵を瓶内で行う製法で、

二酸化炭素吹き込み方式は、その名の通りスティルワインに炭酸ガスを吹き込む製法です。

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シャンパーニュの歴史

ゲルマン民族大移動により、5世紀末にフランク族が北フランスにフランク王国を建国し、

初代王クロヴィスがランスでキリスト教の洗礼の秘蹟を授かりました。

これにより歴代のフランス王がランスで戴冠を行うという伝統が生まれ、それ以降殆どのフランス王が

ランスで即位式を行っています。ノートル・ダム大聖堂が13世紀末に完成してからは、

そこで戴冠式が行われるようになり、中でもジャンヌ・ダルクが付き添ったというシャルル7世の逸話が有名。

中世期にはイタリアからフランドルに抜ける交通の要所という地理的条件に恵まれ、経済、文化ともに発達。

定期的に大市が開かれ、集まった商人達の手によって

シャンパーニュ産のワインが広まっていったと言われています。

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シャンパーニュ地方

フランス北東部の地域圏で、パリから東へおよそ150km、アルザス・ロレーヌ地方の西側に位置し、

フランスのブドウ栽培地としては最北になります。

07年6月のフランス新幹線の開通で、パリからは約45分で行くことが出来るようになりました。

平原を意味するラテン語のカンパニア(Campania)が地名の由来だけあって、

一面に広がるなだらかな平原と、点在する歴史的建造物のコントラストが、

まるで絵画のように美しい地域です。この地は、イタリアとフランドルを結ぶ南北の交通路、

ドイツとスペインを結ぶ東西の交通路の交差点として栄えてきました。

シャンパーニュ地方を構成しているのはマルヌ県、オート・マルヌ県、エーヌ県、アルデンヌ県、

セーヌ・エ・マルヌ県、オーブ県の一部となります。

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レコルタン・マニピュラン

品質管理に優れたグラン・メゾンのシャンパンは、いつ飲んでも安定した美味しさを提供してくれ、

期待を裏切られる事がまずありません。その分、意外性は少ないかもしれません。

時には新たな出会いを求めて冒険をしてみたいと思ったら、レコルタン・マニピュラン(以下RM)のシャンパンに

挑戦してみる事をお勧めします。RMとは自社畑のブドウのみでシャンパンを造る小規模生産者のことで、

グラン・メゾンが大企業なら、小さな個人経営のお店といったイメージ。

自社畑(ほとんどがとても小さい)のブドウのみを使うRMは土壌が命。

そのためビオディナミなどのオーガニック栽培や減農薬農法などを積極的に取り入れる生産者も多く、

その結果、土壌の個性を引き出したユニークなシャンパンが数多く造られています。

品質にバラつきがあるなどリスクも少なくありませんが、

衝撃的なオンリーワンと出会う可能性に満ちているのもRM。もともと生産数が少ないところにきて、

このところのブームでカリスマ的人気のジャック・セロスなどは、すっかり幻のシャンパン状態が続いています。

だからこそ、自分だけのオンリー・ワンRMを探してみるのも、楽しいのではないのでしょうか。

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ルイ・ロデレール Louis Roederer (メゾン所在地区 ランス)

世界最古のプレステージ・シャンパン「クリスタル」を誕生させたメゾン、

ルイ・ロデレールは200年以上続く家族経営で最高品質を追い求める。

1776年にランスで設立したデュボア家を前身として、事業を引き継いだルイ・ロデレールの名にちなんで、

現在の社名になったのが1833年のこと。以来、ルイ・ロデレール社は200年以上続く家族経営で、

徹底した品質管理を行っているメゾンです。最高品質のシャンパンを追求する姿勢は、

ドザージュで使用するリキュールワインに5年から8年の熟成期間を設けているということからも、

窺い知ることが出来ます。また、生産量の75%を補うことが出来る自社畑を所有しているというのも、

これだけの規模のメゾンとしては非常に珍しいことなのです。ルイ・ロデレールといえば、

同社の最高級プレステージ・シャンパン「クリスタル」を思い浮かべる人も多いでしょう。

シャンパンには珍しい透明なボトルが優雅な「クリスタル」は、1876年にロシア皇帝アレクサンドル2世のために

ルイ・ロデレールが特別に造ったシャンパンが起源。

現在、殆どのメゾンが最上級のプレステージをラインナップに掲げていますが、

この「クリスタル」こそが最古のプレステージ・シャンパンと言われています。

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ポメリー Pommery (メゾン所在地区 ランス)

現在の主流、辛口(ブリュット)を生み出したマダム・ポメリー。

芸術を造るようにシャンパンを造る精神は今も受け継がれている。

大手メゾンが軒を連ねるランスでも、ひときわ目を引くポメリー。

エリザベス王朝様式の優雅な社屋、ローマ時代からの巨大な地下カーヴ、

アール・ヌーヴォーを代表する芸術家エミール・ガレの装飾が施された大樽と、

雄大な敷地のそこここに、華やかな業績を物語る痕跡を見ることが出来ます。

創業は1836年。その後、1856年にルイ・A・ポメリーの参加によりポメリー・エ・グレノと社名を変え、

更にルイの死後、事業を引き継いだマダム・ポメリーにより、同社は大きく繁栄することになります。

当時、シャンパンはまだ甘口でデザート的に楽しまれることが殆どでした。ところが英国では辛口が

好まれていることに着目したマダム・ポメリーは、辛口(ブリュット)を考案し、販売したのです。

食前酒としてだけでなく、食事にも合わせられる辛口シャンパンは大人気となり、

この「ブリュット・ナチュール(現在のブリュット・ロワイヤルの元祖)」のお蔭で

英国でのシャンパンの消費量が一気に3倍にも跳ね上がったと言います。

「シャンパンを造ることは芸術を造ること」という言葉を残し、シャンパン造りに情熱と、

大きな功績を残したマダム・ポメリーの精神は、今でもポメリーとシャンパーニュの至る所に息づいています。

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サロン Salon (メゾン所在地区 コート・デ・ブラン)

シャンパン好きが自分や知人のために作り始めたこだわりのシャンパン。

モノ・セパージュやヴィンテージ限定など、サロンならではの製法。

ただ1種のヴィンテージ・シャンパンのみを造り続け、年間生産本数は6万本程度と小規模。

それでいてシャンパン界に名を馳せ、世界中の愛好家達を虜にしているサロンのシャンパン。

サロンは元々シャンパン好きだったウジェーヌ・エメ・サロンの趣味が高じて作られたメゾン。

それ故一切妥協無しにシャンパンを造り上げました。代表的なこだわりがモノ・セパージュ。

シャルドネ単一種によるブラン・ド・ブランしか造らず、それもグラン・クリュのル・メニル・シュール・オジェの

最高のブドウの一番搾り果汁しか使用しない徹底ぶり。最良のブドウが収穫できた年しか生産しないため、

サロンブランドとしてはシャンパンを全く製造しない年すらある程、妥協は一切なし。

更に規定ではヴィンテージは最低3年の瓶内熟成が義務付けられていますが、

サロンの場合は10年前後も熟成されているのです。フランスのワイン専門誌でも常に高い評価を得ている

本格派シャンパンは、高価でも決して後悔のない至高の1本です。

徹底した完全主義に貫かれ、なかなか入手できないのが難点と言えば難点かもしれません。

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テタンジェ TAITTINGER (メゾン所在地区 ランス)

伝統を守りながらも時代を先読みする鋭い感性を併せ持ち、

フランス大統領御用達など国内外で大きな信頼を得る家族経営メゾン!

経営するファミリーの名前を社名に冠する、今日では数少ない家族経営のシャンパン・メゾンである

シャンパーニュ・テタンジェ社。フランス大統領の主催する公式レセプションで用いられるなど

フランス国内での名声はもとより、生産量の3分の2が国外へ輸出されていることからもわかるように、

世界的に有名なシャンパン・ブランドの一つです。

同社の最高傑作であるプレステージ「コント・ド・シャンパーニュ」が誕生したのが1957年。

ライフスタイルの変化などから、ワインにもエレガントさや軽さが求められていることを敏感に感じ取った、

前社長のクロード・テタンジェ氏の発案により、製造が開始されました。

現在では珍しくありませんが、シャルドネ100%、更にグラン・クリュのブドウのみを使うという発想は、

ピノが主体の重い味わいが好まれていた当時としては斬新で、シャンパン業界に大きな衝撃を与えました。

シュイイ、クラマン、メニル・シュール・オジェといった、コート・デ・ブランの中でも傑出した

シャルドネ畑として有名なグラン・クリュのみから造られた「コント・ド・シャンパーニュ」には、

テタンジェ社が追求するエレガントの極みが詰め込まれています。

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パイパー・エドシック Piper-Heidsieck (メゾン所在地区 ランス)

マリー・アントワネットやマリリン・モンローからカンヌ映画祭まで

世界のセレブリティーを夢中にさせるシャンパン・メゾン。

ドイツ生まれのフローレンス・ルイ・エドシックがフランスのランスへ移り住み、

1785年にメゾンを設立。そのエレガントなシャンパンは王室でも評判を呼び、

当時の王妃、マリー・アントワネットからも寵愛を受けました。

フローレンスの死後、甥達の代で3社に分かれたうちのひとつが現在のパイパー・エドシック社に。

パイパー・エドシックと言えば、カンヌ映画祭のオフィシャル・シャンパンとして認定されるなど、

映画との関係が切っても切れません。何と言っても、映画に登場した初めてのシャンパンであり、

”The Movie Champagne”という名誉ある異名も誇る程。

かのマリリン・モンローが夢中になったシャンパンとしても名高く、

真紅のラベルのスタンダード・キュヴェのように大変華やかなイメージが有ります。

その反面、フレッシュさを保つため、現在主流となっているマロラクティック発酵

(発酵の段階で高酸度のリンゴ酸からまろやかな乳酸に置き換わる現象)を行わないなど、

独自の哲学を貫く職人的な姿勢も。同社のシャンパンが世界各国で数々の賞を受賞し、

セレブリティーを始め多くのファンを獲得してきたのも、その品質の高さがあればこそと言えるでしょう。

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ランソン Lanson (メゾン所在地区 ランス)

歴史も規模もシャンパン界でトップクラスのランソン

近代的な設備を取り入れながらも、伝統的なシャンパンを守り続ける。

シャンパンのメゾンの中では3番目に古いランソン(最古はリュイナール、2番目はモエ・エ・シャンドン)。

創業者であるドゥラモット家の2代目が後継者に恵まれなかったため、

シャンパン造りに精通していたジャン・バプティスト・ランソンに事業を譲ったことから、

1837年に現在の社名に変更されました。ちなみにランソンのボトルネックラベルやコルクに、

2代目のニコラ・ドゥラモットがマルタ騎士団に所属していたことに由来しています。

このように歴史あるメゾンながら、現在は近代的な工場で製造が行われています。設備は最新鋭でも、

重要な工程は必ず人間の目で確認をする、目が疲れてミスが起こらないよう30分交替で行うなど、

あくまでもシャンパン造りの主役は人間。近年多くのシャンパンで取り入れられている

マロラクティック発酵(高酸度のリンゴ酸がまろやかな酸味の乳酸に変わる現象)もあえて行わず、

昔ながらのシャンパンの味わいを守り続けているのも特徴です。代表的な銘柄、ブラックラベルを飲めば、

ピノ・ノワールの力強い、それでいて優雅な味わいにシャンパンの伝統を感じることが出来るでしょう。

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